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【第8回】ネットワークのハブとは?仕組みと役割を初心者向けにやさしく解説

この記事でわかること

  • バス型ネットワークでケーブルが1か所切れると、なぜすべての機器が止まるのか
  • ハブとは何か・ポートとは何か
  • ハブを使うと断線の影響範囲がどう変わるか
  • ハブが解決できなかった残り1つの問題

はじめに(前回のおさらい)

前回の記事では、バス型ネットワークにおいて複数の機器が同時に信号を送ったときに起こる コリジョン(信号の衝突) への対策として、 CSMA/CD という通信手順を紹介しました。

  • Carrier Sense:送信前にケーブルが空いているか確認する
  • Multiple Access:空いていれば複数の機器が送信を試みられる
  • Collision Detection:衝突を検出したら、ランダムに待って再送する

「送る前に確認し、ぶつかったら待って再挑戦する」というルールです。これで壊れたデータを送りっぱなしにする問題は解決しました。

今回は、バス型ネットワークのもう一つの弱点「 ケーブルが1か所切れると、ネットワーク全体が止まる 」問題を取り上げます。これを解決した機器が ハブ です


バス型ネットワークの弱点:なぜ1か所の断線で全員が止まるのか

バス型ネットワークでは、すべての機器が「1本の共有ケーブル」につながっています。電気信号はこのケーブルを道路として端から端へ走ります。

そのため、 ケーブルのどこか1か所が切れると、そこで電気の道が途絶えます。

下の図を見てください。切れた箇所を境に、左側の機器と右側の機器はお互いに電気信号を届けられなくなっていますね。

ケーブルの断線によって電気信号が流れなくなる画像

実際の断線はこんな形で起きます。

たとえばオフィスで、4台のパソコンがバス型ネットワークで接続されているとします。ある日、誰かが廊下に這わせてあるケーブルを踏みつけ、コネクタ接続部分がぽきりと折れてしまいました。自分のパソコンに直結するケーブルではなく、みんなが共有している1本のケーブルの一部です。それだけで、つながっていた4台すべてが通信できなくなります。

踏んだ本人に悪気はなくても、ネットワークは止まってしまいます。これがバス型の致命的な弱点でした。


ハブとは何か

ハブ(Hub) とは、複数のケーブルを1か所に集めて接続するネットワーク機器です。

ネットワーク機器であるハブの画像

「Hub」はもともと英語で「車輪のスポークが集まる中心部」を意味します。自転車のタイヤを正面から見ると、細いスポークがすべて中心の1点に集まっていますね。あの部分がハブです。

自転車のタイヤの中心部分がハブということを示す画像

ネットワーク機器のハブも同じイメージで、複数のケーブルが集まる「中心点」の役割を果たします。

ポートとは

ハブにはケーブルを差し込む口がたくさんあります。この 差込口のことをポート(Port) と呼びます。ハブだけでなく、みなさんのノートパソコンにある差込口もポートです。

ハブを使うときは、ハブのポートとパソコンのポートをケーブルで1本ずつつなぎます。


ハブがケーブル断線の問題を解決した仕組み

ハブを使うと、断線の影響範囲が劇的に変わります。

ハブでは、各パソコンがそれぞれ 自分専用のケーブル1本だけ でハブにつながります。

あるパソコンのケーブルが断線しても、切れたのは「そのパソコンとハブをつなぐ1本」だけです。他のパソコンは自分のケーブルでハブと接続しているため、まったく影響を受けません。

一本のケーブルが断線しても、他の機器には影響がないことを示す画像

バス型では1本が切れると全員が道連れになりました。ハブを使えば 断線した1台だけが孤立し、他は何事もなかったかのように通信を続けられます


ハブで解決できなかった問題:信号はまだ全員に届く

ここで一つ押さえておきたいことがあります。

ハブの内部構造は、ざっくりいえば「1本の金属の針がつながっている」イメージです。1つのポートから入ってきた電気信号は、ハブ内部の金属を伝って接続されているすべてのポートへ一斉に流れ出します

ハブは接続している機器すべてに電気信号をながす画像

AがBだけに送りたいデータを送っても、ハブはCにもDにも同じ電気信号を届けてしまいます。以前の記事で紹介した「接続されているすべての機器に信号が届いてしまう」問題は、ハブを使っても解決していません。

ハブが担うのは「断線の影響範囲を1台に限定すること」だけです。 「特定の相手だけに届ける」機能は、別の技術が担います。この仕組みは次回以降で解説します。


まとめ:解決した問題・まだ残る問題

バス型ネットワークが抱えていた弱点の現状を整理します。

問題 状態 手段
衝突で壊れたデータを送りっぱなし ✅ 解消 CSMA/CD
コリジョン(衝突そのもの)の頻発 ❌ 未解決
ケーブル断線による全体障害 ✅ 解消 ハブ
信号がすべての機器に届いてしまう ❌ 未解決

ハブの登場で「断線の影響を1台に限定する」ことはできました。しかしハブの内部では電気信号が全ポートに流れるため、「特定の相手だけに届ける」問題は手つかずのままです。

早速次の問題解決の方法についてご紹介したいところですが、もう少しハブについて説明させてください!