入門編では「なんとなくわかった」という感覚をつかむことを優先しました。この初級編では、その「なんとなく」を「人に説明できる」レベルへと引き上げていきます。ケーブルと電気信号という物理的な基礎から始まり、機器の識別・アドレスと経路・通信のルール・セキュリティへと、全30回で順を追って学んでいきます。
初級編はこんな人向け
この連載は、以下のような方を対象にしています。
- 入門編を読み終えた方
- 「なんとなくわかったけれど、もう少し詳しく知りたい」と感じている方
- ネットワークスペシャリストや応用情報技術者などの資格取得を視野に入れ始めた方
- 実際の業務でネットワークの知識を使う場面が増えてきた方
入門編を読んでいることが前提ですが、しばらく間が空いた方でも読み進められるよう、各記事で関連する入門編の記事へのリンクを添えています。
入門編と初級編は何が違うのか
同じトピックでも、入門編と初級編では踏み込む深さが変わります。具体例で見てみましょう。
| トピック | 入門編で学んだこと | 初級編で学ぶこと |
|---|---|---|
| IPアドレス | ネットワーク上の「住所」であること | サブネットマスクでネットワーク部とホスト部の境目がどう決まるか |
| ルーター | パケットを正しい方向へ転送する「道案内役」 | ルーティングテーブルの中身と、経路をどう決定するか |
| DNS | ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み | ルートサーバーから権威DNSサーバーへ至る階層構造 |
| HTTPS | 通信を暗号化して安全にする仕組み | TLSハンドシェイクで暗号鍵をどう交換しているか |
入門編が「それは何のためにあるのか」に答える連載だったとすれば、初級編は「それはどう動いているのか」に答える連載です。
30回を読み終えたら
この連載を最後まで読み終えたとき、次のようなことができるようになっているはずです。
- ネットワークの用語を「知っている」だけでなく「説明できる」ようになる
- ネットワークのトラブルが起きたとき、どこに原因がありそうか見当がつくようになる
- 技術記事や公式ドキュメントを読んだとき、前提知識でつまずかなくなる
- 資格試験の学習に入ったとき、暗記ではなく理解として頭に入るようになる
初級編の進め方
大切にしたいのは順番です。ネットワークはケーブルと電気信号という物理的な基礎の上に、機器の識別・アドレス・通信のルール・アプリケーションの仕組みが積み重なって成り立っています。下から順番に理解することで、より上位の仕組みの「なぜ?」が自然と見えてきます。
わからない部分があっても立ち止まりすぎず、まずは読み通してみることをおすすめします。一度通して読んだあとに気になる記事へ戻ると、理解がぐっと深まります。
初級編の記事一覧
| 回 | タイトル | 分野 |
|---|---|---|
| 第1回 | 初級編・はじめに(この記事) | 導入 |
| 第2回 | 電気信号とは?データがケーブルを流れる仕組みを解説 | 物理的な基礎 |
| 第3回 | ケーブルの種類:ツイストペアケーブル・光ファイバー・同軸ケーブルを比較 | 物理的な基礎 |
| 第4回 | 全二重と半二重:通信方向の違いと現代ネットワークへの影響 | 物理的な基礎 |
| 第5回 | MACアドレスとは?48ビットの構造とOUIの仕組み | 機器の識別 |
| 第6回 | VLANとは?1台のスイッチを複数のネットワークに分割する仕組み | 機器の識別 |
| 第7回 | プロトコルとは?通信の取り決めをやさしく解説 | 通信モデルの整理 |
| 第8回 | TCP/IPモデルとは?通信の仕組みを4つの役割で整理する | 通信モデルの整理 |
| 第9回 | IPアドレスの詳細:サブネットマスクとCIDR表記を理解する | アドレスと経路 |
| 第10回 | NATの詳細:PATとの違い・NATテーブルの仕組み | アドレスと経路 |
| 第11回 | DHCPとは?IPアドレスが自動で割り当てられる仕組みを詳しく解説 | アドレスと経路 |
| 第12回 | ARPとは?IPアドレスからMACアドレスを調べる仕組みを解説 | アドレスと経路 |
| 第13回 | ICMPとpingの仕組み:ネットワークの疎通確認をやさしく解説 | アドレスと経路 |
| 第14回 | デフォルトゲートウェイとルーティング①:スタティックルーティングとは | アドレスと経路 |
| 第15回 | ルーティング②:ダイナミックルーティングとは | アドレスと経路 |
| 第16回 | ネットワークトポロジーの種類:スター・リング・メッシュを比較 | ネットワーク構成 |
| 第17回 | プロキシサーバーとは?通信の中継役の仕組みと用途 | ネットワーク構成 |
| 第18回 | ロードバランサーとは?アクセスを複数のサーバーに分散する仕組み | ネットワーク構成 |
| 第19回 | TCPの詳細:スリーウェイハンドシェイクとフロー制御の仕組み | 通信のルール |
| 第20回 | DNSの階層構造:ルートサーバーから権威DNSサーバーまでの仕組み | アプリケーションの仕組み |
| 第21回 | HTTPメソッドとステータスコード:GET・POST・200・404・500の意味 | アプリケーションの仕組み |
| 第22回 | CookieとセッションとHTTPS:ログイン状態が保たれる仕組み | アプリケーションの仕組み |
| 第23回 | TLSハンドシェイク:HTTPSの暗号化がどう確立されるか | アプリケーションの仕組み |
| 第24回 | 暗号化の仕組み:公開鍵暗号と共通鍵暗号の違い | セキュリティ |
| 第25回 | 認証とは?パスワード・多要素認証・SSO・OAuth | セキュリティ |
| 第26回 | ファイアウォールの詳細:ステートフルインスペクションとは | セキュリティ |
| 第27回 | IDS/IPSとは?不正侵入を検知・防止する仕組み | セキュリティ |
| 第28回 | リモートアクセスVPN vs 拠点間VPN:2種類のVPNの使い分け | セキュリティ |
| 第29回 | クラウドネットワークとは?オンプレミスとの違い | 現代ネットワーク |
| 第30回 | CDNとは?世界中にコンテンツを高速配信する仕組み | 現代ネットワーク |
それでは始めましょう
普段、何気なく使っているインターネット。入門編でその全体像をつかんだ今、もう一歩踏み込んでみませんか。
最初のテーマは「電気信号」です。私たちが送るメッセージや画像は、ケーブルの中でいったい何に姿を変えているのか。ネットワークの一番下の土台から、じっくり見ていきましょう。